

ALLMAN BROTHERS BAND
ニューヨークはマンハッタンのブロードウエイ。
ビーコンシアターにてAllman Brothersは8夜連続ライブを挙行している。
殆どがSold Out状態で、もう終わったと思っていたオールマンの人気は本場アメリカでは衰えを知らないでいるようだ。
その中のたった1日ではあるが、ラッキーにもチケットが入手できた。
思えばもう25〜678年も前にhirokoは聞いていた。
しかし、その当時のRockは選択圏がえげつなく幅が広く、どの音楽をどのバンドを一筋に・・・
ということなんぞ全く持って不可能な世界だった。
いろんな音楽に溢れていた時代だった。
だが当時はやはりウエストコースト・サウンドが莫大な流行として日本では広がっていた。
オールマンはこの系統とはちょいと違った。
南部のサザン・ロックの雄だったのだ。
同じブラザーズでも聞きやすくてノリ易いドゥービー・ブラザーズの方をその当時は好んで聞きほれていたhirokoだった。<
であるからして、hirokoのオールマンの知識は薄い。
しかしだ、hirokoもドラムをやっていたので、そのツイン・ドラムの素晴らしさ、ツインギターの凄さには感心していた。
まぁ、薄い知識の中から知っている程度のことを話すと・・・
ドュアン・オールマンとグレッグ・オールマン兄弟から発生し、イートア・ピーチなどの素晴らしいアルバムを世に出している。
エリッククラプトンとともにドレク&ドミノスの「レイラ」などはあまりにも有名なお話である。
そのドュアン・オールマンが事故でこの世を去った時には誰もが仰天した。
その後ディキー・ベッツを迎え、コンスタントにライブを行っていたが、今になってまた輝きを取り戻しつつある。
今回の『hittin' the note』はレコーディング作品としては9年振りとなるもの〜その間散々ツアーして来たんだから新曲なんて必要なかったのだろう。でも出してくれた!それだけ価値のあるものに仕上がったという証拠だ。
長年のファンたちの言葉では「これほどの名作は30年ぶりだよ!」なぁーんてこともささやかれている。
ディッキー・ベイツが去った後、オリジナルメンバーの一人であるドラマーの甥っ子にあたるデレク君がオールマン入り。
まだ24歳にしてボブ・ディランやスティーブン・スティルスなどとも共演した天才スチール・ギターリストである。
オールマンに抜擢され、そのシャープな切れ味のいいギターがバリバリに光っている。
今年、日本でのブルース・フェスティバルにも彼自身が率いるデレック・トラックス・バンドとして出演が予定されている。
3月17、18のニールのライブそして19日の朝の映画Greendaleでもって、グリーンデール、グレーンデールした毎日からの中休みである。
ニールの重たい歪んだサウンドから一転して、羽毛布団のような軽いシャープな横ノリのサウンドもニューヨークらしくていい。
19日の夕刻はドタバタして、ジム、ジョージ、そしてきよしさん達との夕食に間に合わず、慌ててビーコンシアター入りを果たす。
入り口にはオールマン・グッズが飛ぶように売れている。
しっかし、こちらとて凄いパワーである。
ニールのファン層というのは実に幅が広い。
50代40代を占める層が厚いが、30代20代と若い追いかけファンも新たに加わっている。
ところがどすこい、オールマンはバリバリの50代が殆どだ。
大きな身体をくゆらせて、腹を吹き出してサイケデリックなオールマンのTーシャツを着込んでいる。
つまり長年のファンたちがずっと離れもせずについているという感じである。
クリスとhirokoの席は1階の壁を背にした一番後ろ、通路横というロケーション。
回りは熱狂的なオールマン信者で埋め尽くされていた。
まぁアメリカでのコンサートは観客がばりばりビールを飲む。
しかるに演奏中にべたくた喋るわ、トイレへ中座などそいつが甚だしい。
静かな楽曲中にやられると、ドたまを勝ち割ってやりたくなる。
UKとオーディエンスと比較すると、勿論ライブの種類にもよるが、UKのオーディエンスは高いチケットを支払ってやってきたのだからとにかく演奏を食いつくように静かに見守る。
ノイズをたてようものなら、思いっきり回りからの白い目が突き刺さってくる。
ビールこそ飲みはするが、中座する時は「ごめんなさい!」「すんまへん」と一応小さく小僧寿司となって中座をする。
ところがアメリカのオーディエンスは違う。
どんな高いチケットであろうが、その場その時を自分たちが楽しむのだ。
演奏は言わばBGMみたいになっている。
どちらもそれはそれで楽しみ方なのである。
オールマンはそれはそれは酷いノイズの嵐だった。
おまけにここはどこなんだ?アメリカやなかったっけ?と自分が今どこにいてるのかわからなくなるほど、会場内はモクモクの煙である。
禁煙とはなっている。
だがしかし、おなじみカナビスの匂い、タバコの匂い、汗の臭いがムンムン入り交じって臭覚を刺激する。
静かに聞き惚れたいコンサートもあれば、バカスカ騒ぎたいコンサートだってある。
だからどちらがいいとは一概には言えないが、このオールマンは最高のアトモスフィアだった。
何しろ、普通ならばカメラや録音機の持ち込みは固く禁止されているコンサートが殆どの中で、グレイトフルデッドやラットドック同様に録音OK!写真撮影OK!、飲食OK!ドラッグOK!、喫煙OK!
何でもこいなのだ。
こうなると「音」を「楽しむ」本来の醍醐味である。
オープニングは低いボリュームでギターがシャカシャカと軽いノリで始まった。
そのうちにボリュームが上がってきて、まぁおじさん、おばさんは身体を前後左右にくれらせるわ。
奇声を発するわ。拳を上げて踊り狂うわ・・・が始まった。
hirokoもある程度の予習で何曲かは知っているが、殆ど知らない曲ばかりであったが、身体はくねり、リズムに乗る。
タイトなリズムセクションでhirokoは大満足。
ツインドラムの快い響きが、hirokoの両足を動かせる。
ニューヨークという街にぴったりとはまったサウンドだ。泣きのギター、スルスルと滑るスライドギター、シャープで歯切れの酔い
ドラム、グレッグ・オールマンのしゃがれた重たい声。
オーディエンスは狂喜乱舞と化している。
アメリカの50代、ベトナム戦争を経験し、ドラッグに溺れ、フリーセックスに明け暮れた悩み多きヒッピー時代の体験者達である。
パワーが違うんだな。
日本でもそうだが、50代の人達というのは何せかパワーを持っている。
シラケの40代30代とは全く違った凄まじきパワーを秘めている。
そんな変動の時期を乗り切った人達と友に今夜は一緒に踊り狂っている自分がめたくそ面白い。
このパワーに圧倒されたのか、普段は静かなクリス君も横に揺れている。アハハ・・・おもろ!クリスがノってる!
このおじんバンドに一人だけ金髪の若い兄ちゃんが加わっているが、このデレック君のギターの素晴らしいこと!
若干24歳等とは到底思えない堂々としたギタープレイに観客は一際歓声を上げる。
サイケデリックなスクリーンをバックに新生オールマン・ブラザーズは今夜も走る。
帰国後、録音をチェックした。
凄まじい叫び声とおしゃべりで演奏が殆ど聞き取れないほどだった。
だが、hirokoはあの夜、すごくいい気分で「音」を「楽しめ」て満足している。
セットリスト
1. You Don't Love Me
2. Firing Line
3. Statesboro Blues
4. Who's Been Talking
5. Come and Go Blues
6. Desdemona
7. Don't Keep Me Wonderin'
8. Hoochie Coochie Man
9. The Night They Drove Old Dixie Down
10. Hot 'Lanta Set II11. Stand Back
12. Done Somebody Wrong
13. I've Got Dreams To Remember w/Rob Somerville(sax) & Bryan Smith(trombone){Deep Banana Blackout}
14. Leave My Blues at Home
15. Why Does Love Have To Be So Sad
16. Franklin's Tower
17. Whipping Post Encore
18. Southbound w/Rob Barraco(keys)