CSN In Edinburgh Play House
23,June 2005






「C&Nが来るぞ!グラスゴーだ!行くだろ?」
アバディーンのDrニール君から新年の開口一番の電話だった。
「CとN?Sは来ないのぉー?何ぁーんだ、行かないよ・・・だって日本へ帰ってるんやもん」
2月のCとNのライブをこうやって素通りさせたhirokoだった。
其の後、帰ってきていろんな情報からこのC&Nのライブがえげつなく素晴らしかったとの大好評ばかりが目に入ってきて、ああああ、しくじったかな?と後悔していた。
だいたいhirokoはCSN&Yの大ファンで特に皆さん御存知の通りニール・ヤングおたくである。
その次といえばスティルスでhirokoにとってはニールは1人で独立しても当然ライブを見に行くだろうが、後のメンバーがソロでライブ!となっても多分行かないだろう。
それでもCSNとなれば話は別物。
ニールヤング一人対CSNの3人って感覚がhirokoの中には存在する。
このC&Nが大好評だったが故か、今度はCSNがやってくるといううわさが立ち始めていた。
「まさかぁ・・・だってこのあいだ来たところじゃん!」と思っているうちに噂が噂ではなくなってきた。
正式にWebサイトで発表され、いち早くキャッチしたクリス君がすぐさま、チケットマスターへ。
まだそうそう多くの人は知らないうちにちゃっかりとチケットをゲットした。
早速、各地のラスティーズ(ニールヤングのファンサイトで知り合ったファンたちの名前)達と連絡を交わし合う。
Drニール君に電話を入れる。
彼はPUBへ出掛けていて、グエンが出る。
「えっ?6月23日?ちょっと待ってぇ。。。私達ショートブレイクで週末にポルトガルなんだけど、まさか重なってはいないでしょうねぇ・・・もしそうだったら、レズ(Drニール君)はショックで寝込むわよ。」
グエンが携帯ですぐさまニール君へ・・・ニール君から我家へ折り返しの電話。
「おいおいおい!やったぜ!俺達、24日の朝に出発だから、何とかイケルぞぉー!いくぞー!」
「ちょいとぉー!アバディーンから車で降りて来るんでしょ?ポルトガルへのフライトはエジンバラからな訳ぇ?」
「アバディーンからだ。それがどーした。オールナイトだ!寝られるもんか・・・」

????凄い!
コンサートの終了は11時半あたりとなる、そこからまたアバディーン迄車をぶっ飛ばして帰って、着くのは早くても2時半から3時あたり・・・そいでもってポルトガルへの旅でアバディーン空港に8時・・・・
何という・・・ティーンエイジャーやあるまいし・・・・ここにスコッツマンのタフで無謀な一例を見る。
すげ・・・うちらは真似は出来ん・・・とクリス君と顔を見合わせながら・・・ニールヤングだったら、やっちゃうかもね。と二人は同意するのだった。

6月23日木曜日、UKではウィンブルドンが始まって、期待の新人アンディー・マリー君が予想以上の出来で2回戦を勝ち進んでいた。
スポーツで特にフットボールでは期待を裏切られっぱなしのスコティッシュたち。
何かでこの憂さを晴らしたい。
しかし、どんなスポーツもぱっとしないところに彗星の様に現れた新人テニス選手に国民の期待がどばーっ!って感じである。
我家は二人ともテニスはしないが、観戦にかけはプロの評論家なみである。
hirokoなんぞもこのウィンブルドンは昼の始まりから、最終までTVに歯形が出来るまでかじりつく。
スカイデジタルのお陰で6試合を同時に選択出来てしまうから、片時も離れられないって訳である。
この日もアンディー君の出場だったが、2セットを取った後、コンサート会場に向かわねばならず、試合の結果が気になって仕方がなかった。

エジンバラ・プレイハウス、2003年の7月にYESのライブに来てからもう、2年も経つのか・・・・
CSNは初来日の時、大阪のフェスティバルホールでの感動のアコースティック・ライブを見た、そして2002年、まさか生きてる間に見れるとは思わなかったニールを加えたCSN&Yをボストンまで見に行った。
チケット1枚が242ドルもしたあの凄いライブである。
あれからもう3年なのか・・・まさかまた再び3人のライブが見れるなんて・・・・生きててよかったぁ・・・

プレイハウスの向かいにあるイタリアンレストランでアバディーン軍団と待ち合わせ。
何とも大所帯でやってきているではないかのDrニール軍団。
大きな図体8名が窓側の席を陣取っていたのが道路から丸見えだった。
「ああ、恥ずかし・・やめとこか?入るの?」と二人は顔をみあわせたら、ニール君が零れ落ちそうな満面の笑顔で手を振っている。
「はーい!元気そうじゃない!アメリカはどうだった?」と、寄って行くやいなや、ニール君はhiroko!来い!と入ってきた入り口から出て行く。
もう!止めてよね!また隠し事なんかよぉー!
開口一番のDrニール君。
「これはグエンは知らない・・・」
「またぁー!今度は何を買ったんや?」
「mp3レコーダーだっ!アメリカのサイトで注文したぜ!」
「どこのメーカー?」
「エディーロールだ!」
「そりゃぁローランドのやなぁ・・・あたしも日本へ帰ったときに買おうかどうかウントコ悩んだんや!」
「いくらで買おてん?」
「£800・・・・」
「・・・・・この、あほう!」
「DVDのクオリティーだっ!」
「わかってるわい!しかし高いおもちゃやなぁ・・・このあほう!」

£800のマシンを買ってしまうなんて!
hirokoの思っていたマシンの次元は£200だったのだ。
それでも諦めて帰ってきたというのに・・・このドあほ!だ。

8名のアバディーン軍団、ニール君、グエン、リンジー、ジム・ヘイ、デビット、シャロン云々。
いつも彼の家で新年に集う仲間は相変わらず元気がよくって、ちょいと5月病なのか、一足早い夏バテなのか、気分がすぐれなかったhirokoの気分がぱぁーっと華やかに戻っていった。
ニール君とはよう喧嘩をした、何度か絶交を言い渡したこともあるが、やっぱり友達ってええもんやなぁ。
・・・と長いプロローグとなってしまった。

我らの座席は右寄りの前から7ー8番目あたり。
シート間はかなり狭く、大柄な図体の人はちょいとしんどい感じ。
そんなことを思っているとずんずんと大柄な人がhirokoとくリスの席を身体をくねらせながら自分の座席を求めて通り過ぎる。
そのたんびによいっしょっと立ち上がり、通してやれねばならない。
ちょい待てヨォー・・・また例の演奏の途中に「おしっこ」休憩かぁ?
嫌な予感・・・
この国の人間はよっぽどの音楽ファンでない限り、ライブの前にたらふくビールを流し込む。
たらふく流し込んだら当然のことながら排泄という逆らえない生理的現象が生じて回りの音楽に聞きいている人の迷惑を考えない。
大スタジアムの立ち見ライブならともかく、ここいらへんがいつも腹がたつところである。
どっぷりと脂肪を取り込んだ50代半ばのおじさんがhirokoの隣になった。
やな予感・・・
暫くすると、「この御婦人はマッセルバラからいらしたのかな?」
へっ?
「ええと・・・マッセルバラのラスティーじゃないかな?」
「えっ?ラスティー?。。。」
「えっと、誰でしたっけ?けっっけっ・・・・思い出せない・・・」
頭の中を?マークがびゅんびゅん飛び交っている。
「ウェブサイトの・・・」
「うわっうわっ!思い出したぁ!」
そう言えば数年前にスコットランドのニールヤングのファン・サイトに登録して何人かの人達とトレーディングしたり、E−mailを交したりしていたんだ。
そこにはメンバーの写真も掲載している。
「ごめんなさぁーい!思いだせなかったもんで!」
と平に平に謝る。
彼は遥かインバネスからやってきたラスティーのイアンさんだった。
およよ・・・hirokoも有名人???
なんでも昨年ニューヨークでオーストリアのジョージを通して知り合ったボストンのジムもやってきているそうではないか・・・
やっぱ、ラスティーの輪っていうのは強烈だなぁと実感する。
会場内の年齢層はやっぱり50代半ばから後半が圧倒的で、すっかりおじさんとおばさんのhirokoでさえも若い年齢層になる。

オープニングは8時を少し廻ったところだった。
今回のツアーはバンドを従えてのエレクトリックバージョンだ。
アコースティック・バージョンのみではないので、大いに期待していた。

うひょうひょ!やっぱり感動だ!
生きた伝説達が3人も・・・今、ここにいるんだ。
同じ屋根の下で同じ空気を吸っている!
ここには「今」がある。
家でいくらレコードやCDを聞き込んでいても、そこには「過去」が聞こえるだけである。
素晴らしいミュージシャン達と「今」を共有できる、それこそがライブの醍醐味だ。
思わず、一斉にみんなが立ち上がる。
手がグローブのように腫れ上がるほどの拍手を送る。
グラハム・ナッシュが開口一番・・・
「アンディー・マリーの成功、おめでとう!」でもって大きな歓声が沸き上がる。
そーか・・・勝ったんや!やったやない!
ウィンブルドンの3回戦を突破した若きスコッツマンだ。
ええ事言うやん、ナッシュ君!

突端はCarry On!!
総立ち状態だ。
うわうわうわ!やっぱ生やなぁ。凄いわぁ・・・
それでもちょいと音がdodgeyな感じちょいと危なっかしい。
この曲は大好きな曲の1つだ。
何度も歌ったが、バンドで歌える機会はとうとうなかった。
マラケッシュ急行へと流れて行く。
しっかりといい爺さんになってはいたが、3人とも元気そうだ。
特にクロスビーは肝臓移植をしてもう何年になるのだっけ?
63歳の彼の未だに衰えることのない張りのある歌声は実に力強い。
やっぱ伝説の人は違う。タダモノではないのである。
3曲目のLong Time Goneを終えた後、クロスビーが彼らのアルバムの宣伝をする。
「凄くいいアルバムなんだよ。買ってね・・・」
するとナッシュが口を挟む。
「ここはスコットランドなんだぜ。スコットランド人はお金は使わないだよ・・・」などと言ってしまう。
でましたぁ!イングリッシュの嫌らしさが・・・ほれ、ここに!
言ってしまった直後、ブーイングを受けてしまうナッシュ爺ちゃん。
hirokoも思わず「ぶーぶぅーぶぅー!」
あのねぇ、そりゃぁスコットランド人がケチなのは認めるけどねぇ、あんたらのライブ、結構高いんだよ!わかってんの?
ここがお行儀のいいエジンバラだったからよかったものの、これがグラスゴーだったら、ちょいとした大騒ぎになっていたのかも知れない。
マンチェスター生まれのイングリッシュのナッシュ爺は地元UKとあってかなり張り切っている・・・んが忘れちゃぁいけないのだ。
ここはスコットランドでイングランドではないことを・・・4曲めから新作が続く。
Jesus Of Rio、そしてスティルスのFeed the People、さぁ、今の日本でのライブはセキュリティーがどれほどなものなのか知らない。
確かかなり厳重だったと記憶しているが・・・
バッグに録音カセットウォークマンをしのばせて、しっかりとあの頃から収録していた。
今迄、見つかったことはない。
だけど、カメラは考えも及ばない。
フラッシュがぱぁーっと焚かれた時点で警備の兄ちゃんが走ってきて、カメラ没収というところだろうか?
大昔、ドゥービー・ブラザーズのコンサートで友達と3人、背中にDOOBIE BROTHERSとキンキラにあしらったTシャツを着て席に立ち上がり踊り狂った時にはさすがに警備のお兄ちゃん3、4人から取り押さえられたが・・・
ここUKでは、何でもこいだ。
勿論、首からぶら下げて入ったら、怒られるだろうけど。
カメラのフラッシュの嵐である。
今やカメラ付きの携帯電話やデジカメが当たり前の時代である。
今迄、警告されたことはなかったが、始めて、注意されてしまった。
うかつだった。
続けさまにやってはいかなかったのをついつい3枚4枚と続けて撮影をしてしまったのである。
首の横からメガネの警備の兄ちゃんがにょーっと顔を出して「カメラ撮影は許されてないよ」って、「堪忍堪忍!ごめんちゃい!」で大人しくしていた。
ああ、今度から気を付けなければ・・・・撮る時は間がいるのだ。
カメラ撮影は許されてないにしてはあちらこちらでピカピカと光りまくっている。
アンコールの総立ちまで我慢するとするか・・・
襟元のマイクに気がつかれなくて、御の字御の字・・・くわばらくわばら・・・。

ステージ中央にキーボードが据え置かれる・・・お次はナッシュ爺。
観客からリクエストがあがる。
シカゴォー!・・・するとナッシュは「えっ?ここはエジンバラだろ?」と笑いを誘う。
Winchester Cathedral。
スティルス爺さんが熱唱するオーティス・レディングばりのOld Man Trouble、スティルス爺もその還暦を迎えたお歳でまたまた父親になるという。
ふっくらと幸せが体中から発散されていて、これまた離れ業だ。
そおして、幻想的なDejav。
始めてこの曲を聞いた時、はっきり言って、何じゃこれは?だったが、生で聞くデジャブ・・・始めてだ。
第一部の終了を迎えインタバルを宣言した。
第一部は新曲や比較的新しい曲が続いて、イマイチの乗りが見え隠れした。
最もサウンド面にもかなりラフでバランスに欠けはしたものの、やっぱりこの3人の元気な歌声を生で味わえるのだから、何でも我慢しちゃう。
観客を観察すると、やっぱりそーんなんだ・・・ニールと違うところはここか!
ニールヤングのライブでは大多数のファンが現在進行形で、新しい曲をどんなだろうか?と期待を持ってやってくる。
ところが、CSNになるとファンは昔ファンだったよ・・・の過去進行形、でもって、新しい曲はいらないよ。オールディーズをガンガンやって!
ベストヒットパレードを求めているのに気が付いた。
どちらが良い悪いではなく、そう感じられた。

約15分程の休憩後、第二部が始まった。
アコースティックなハーモニー曲Helpless Hoping、そしてクロスビー爺ちゃんとナッシュ爺の名曲、Guinnevere。
鳥肌を招く完璧なハーモニーはちょっぴり衰えて、今は鳥肌は立たない。
4曲めで出ました出ました、待ってました!のSouthern Cross。こいつは大好きな曲だ。
広大な海を航海する船に乗っているような清々しい気分のいい曲である。
アバディーンでDrニール君たちとバンドをやっていた時に練習こそはしたのである。
しかし・・・下手なので辞めた曲、だいたいあの男はハモが出来んからだ!とうふふと思い出し笑いを堪えながら
口ずさんでいる自分にふっと気が付いた。
いけねぇー!録音してるんやった!
核廃棄物をテーマにしたDon't Dig There、そしてトゥルトゥトゥトゥトゥトゥルツルルツルル!のLove the one you're with
そおしてクロスビー爺ちゃんの十八番、Almost Cut my Hair。
やっぱこの爺チャンはただ者ではない。
ドラッグでボロボロになって、刑務所にも入っちゃって、そおして肝臓を移植までして、この声を保持してるんだから人間業ではない。ステージには彼の息子がキーボードとして参加していた。
オールディーズが続くとその進行には拍車がかかる。
あっという間にフィナーレを迎えてしまった。
Wooden Shipsでセットを終了。
第二部はバランスを取り戻し、オールディーズが続いたせいか乗りが出た。

アンコルは2曲。
Woodstock・・・そしてTeach Your Children。
最後は美しく軽く滑らかな曲で締めくくってエジンバラは夜の11時半となっていた。

あれ・・・やっぱりなかったかぁ・・・青い目のジュディーが。。。こいつが一番好きやのになぁ・・・と、ちょいとがっくり。
単独のライブとしてはインターバルの時間を含めて3時間半。
この歳でこれだけの長丁場ができるのである。やっぱり人間業ではない。
今の若者の1時間半あたりで切り上げるなまっちょろいライブとは比較にならない。

生きた伝説がステージを降りて行く。
これがひょっとして生の見納めかな?
と、3人の後ろ姿をしっかりとまぶたの裏に焼き付けたhirokoだった。


Set Listは以下の通り



1.Carry On
2.Marrakesh Express
3.Long Time Gone
4.Jesus Of Rio
5.Feed The People
6.Winchester Cathedral
7.Wounded World
8.In My Dreram
9.Minitary Madness
10.Old Man Trouble
11.Dejav

Interval

12.Helpless Hoping
13.Guinnevere
14.Lay Me Down
15.Southern Cross
16.Milky Way
17.Don't Dig There
18.Love The One you're With
19.Chicago
20.Almost Cut My Hair
21.Wooden Ships

Encore

22.Woodstock
23.Teach Your Children