
HYDE PARK CALLING FES 観戦記
その2

7月2日
勝手の分かった2日目である。
ゲートOPENからわざわざ行く必要もない。
今日も思いっきり暑くなると言っている。
爆睡の結果、眼が覚めたら10時になっていた。
朝食の付かないHOTELだったので、朝食を摂りにバーガーキング。
もわわわぁーんの湿気と熱気は依然としてそのまんまである。
一通り食べ終わったら、再び上まぶたがシャッターをおろすようにガラガラと音を立てて塞がっていく感じだ。
「まだ眠れるで・・・・」
新聞を購入し、HOTELに戻り、昨日のイングランド戦とウィンブルドンの結果に注目する。
ポルトガルのストライカー、クリスチアーノ・ロナルドが同じマンUのチームメイトであるじゃがいもルーニーをセントオフさせたようで・・・こりゃぁ大変な騒ぎとなっているみたいである。
フーリガンたちはどうだったんだろうか?それよかクリスチアーノはもうマンUには戻ってはこれないだろうなぁ・・・
さて、ウィンブルドンではイングランドの敗戦を他所に、スコッツの期待の星、アンディー・マリー君がアメリカの剛速球サーブのアンディー・ロディック破って大騒ぎだったようだ。
イングランドが負け、スコッツが勝った・・・さぞかしスコットランドの新聞はえらい賑わいを見せていることだろう。
今日のハイド・パークのトリはThe WHOである。
ウィンブルドンの顔役解説者として君臨しているジョン・マッケンローがこのThe WHOの大ファンで、今夜のライヴを見に行くとTVで言っていた。
そーいえば、昨年のライブ8でも彼の姿が確認されたし、しっかりインタビューで現れていた。
相当なファンなんだろう。
再びベッドの中に潜り込んで昼寝だ。
3時を過ぎて、眼が覚めて昨晩ホテルに戻ってきた時にはゾンビ状態だったのが、ようやくしゃきっとなった。
今日は昨日のようなクレイジーさはないはずだ。
W杯もウィンブルドンもゲイの大行進もない、おまけに今日は日曜日である。
ただしお天気は抜群なので人は多いだろうが・・・
地下鉄でマーブルアーチ側のゲートからハイドパーク入りを果たした。
相変わらず暑い。
トリ前のRazor Lightを前方の塊から1つ離れた第二の塊あたりで座り込んで見ていた。
さぁ、人が押し寄せてきた。
THE WHOの登場も近い。
hirokoにとってのThe Whoとの出会いは、実に遅い。
何せかオンタイムのThe Who経験したければなんと1962年のデビューにまでさかのぼらねばらない。
まだまだhirokoはオムツこそ取れてはいたが、モンキーズを見てキャーキャー言っていた時代である。
小学校の6年生あたりでようやく耳には知っていたがビートルズやサイモン&ガーファンクルの存在をLPやEPを通して知るようになる。
ながら続に入門を果たしてラジオで洋楽を毎日のように聞いてはいた。
中学の半ば当たりころか・・・ROCKオペラ、テッド・ニーリーがイエス・キリストを演じた「ジーザス・クライスト・スーパースター」と多分よく似た時期あたりだったか、この頃に「TOMMY]という別のROCKオペラがあった。
金髪のクリクリカールの美形のお兄ちゃんの物語である。
だがしかし、話題にはなっていたみたいだが、見ることがなかった。
ジーザス・クライスト・スーパースターにとっぷりとはまり込んでしまったからだ。
その後はプログレ経験を経て、ハードロックの門をくぐった。
レッド・ツェッペリンとディープパープル。
ブリティッシュROCKを代表する二大ROCKバンドであった。
あなたはZEP派?パープル派?などという分類わけがよくされていたが、hirokoはどちらかと言えばパープル派だったと思う。
この2つの偉大なバンドの影にバッド・カンパニーやFreeやThe Whoなどが存在していたように思う。
まだこの時点でもThe Who体験には至らなかった。
中学後半にはQUEENにはまり、高校に入ってからはKISSやエアロスミス・・・そおしてウエストコーストを知るようになり、ブリティッシュROCKとお別れしてしまったのだ。
大学に入り、音楽系のクラブに入ってからは実に多くの分野をいろんな先輩たちの影響で聞くようになった。
ジャーマン・ヘビーROCKやヘビメタ・・・そおして再び昔とり逃がしたブリティッシュROCKと再会する。
この曲ええやん!誰?これ誰が歌ってるのん?このアルバム持ってへん?貸してぇー!
いろんな分野のスペシャリストがいたせいで、これが聞きたければこの人の下宿を襲う!これが聞きたけばこの先輩!などと実に素晴らしい環境に恵まれていた。
何でも聞ける耳が持てるようになったのはやっぱりこの時代のお陰である。
さて、初めて聞いた「Summer Time Blues」確か軽音楽クラブの定期コンサートか音フェスかなんかで、3人組の黒ずくめのお兄さんたちが爆音を立てながら演奏していた。
実はこいつがhirokoの始めてのThe WHOだった。
実際はThe Whoの曲ではなくエディー・コクランの曲ではあるが・・・・・「うわ・・・これ誰の曲?かっちょええやん!」だったわけで、めたくそ晩生だったわけだ。
アルバム「四重人格」はよく聴いた。
だがしかし、アルバムを聞いているうちはよかったが、映像を見て・・・あまりにもその破壊的暴力的なのにど肝を抜かれた。
ギターのピート・タウゼントがアンプやギターをめたくそに壊して、そしてドラムのキース・ムーンもドラムをバリバリに破壊する。
はっきり言ってこういう行為は好きではない。
ROCK界のフーリガンといったところだ。
何でもライヴのたんびにこうやって楽器を壊すもんだから、借金がすごかったらしい・・・何もそこまでせんでも・・・って気がした。
ゆえにThe Whoに対する興味は薄れていった。
しかし繊細な若者の苦悩を実にリアルに表現したROCKオペラの映画「TOMMY」を見て、感動もした。
多分ROCKに疎い方でも、ミュージカルがお好きな方ならばブロードウェーのトニー賞を5つも獲得したミュージカルTOMMYをご存知な人も多いだろう。
日本にも今年やってくるらしいよ。
さてこのTOMMYは1973年ケン・ラッセルによって、映画化された。
オリバー・リードやアン・マーグレット、エルトンジョン、エリッククラプトン、ティナ・ターナーなどという豪華絢爛なメンバーが参加しており、主役の盲目のTOMMY青年をWHOのヴォーカリストであるロジャー・ダルトリーが初々しく演じている。
この当時を反映するサイケな映像、ドラッグ、暴力とともに、ピンボール・ウィザードやアメイジング・ジャーニーなどという名曲も心を打つものがある。
その後、破壊的ドラマーのキース・ムーンが31歳という若さで亡くなり、時代がブリティッシュROCKの終わりを告げ、いつしかTHE WHOの存在も遠いものになってしまった。何しろ日本に来日していないROCKバンドだったし、どうしても他のバンドに比べると知名度は少々落ちるのも当然のことだっただろう。
ヴォーカルのロジャー・ダルトリーは俳優としての道を歩んでいたし・・・・
UKではスタジアム嗜好で、より大きく大きくと規模が巨大になり、ミュージシャンと観客との距離が大きく開いてしまった結果、より身近に音楽が受け止められる、一緒にはしゃげるパンクがブレイクし、アメリカンROCK、ウエストコースト、サザンROCK、ソウル AORというめまぐるしい時代の変遷を迎えた。当時音楽小僧をしていた少年少女たちもひとり立ちし、人生の機転を迎え、いつしか毎日の生活から音楽の占めていた割合が激減していく結果となる。
ミュージシャンも歳をとるがファンとて歳をとるのである。
そおして再びWHOが浮上したのが近年になってからだ。
来日しない伝説のROCKバンドThe Whoが2004年日本のROCKオデッセイに出演し、メンバーたった二人が残った寂しいThe WHOではあったが、往年のファンたちを喚起させたのは言うまでもない。
すっかり歳を取った二人だが、こちらとて歳を食らっている。お互いさまだ。そしてUKツアーを再開させ、翌年2005年、昨年のライブ8にも出演し、健在振りを見せ付けてくれたのは記憶に新しい。
このハイドパークの出演、1週間後のスコットランド最大の音楽フェスであるT イン・ザ・パークへの参加、そして世界各地の夏のサマーフェス参加表明と意気込みに拍車がかかっている。
おまけにこの夏には新しいアルバムも発表されるという。
じいさんになってもまだまだ若いもんにゃぁ負けてらんないぞ!っというタウゼントのコメントが力強い。
近年始まったアメリカのTVドラマ「CSI」のテーマソングで「Who Are You」が流れ、CSIのNユーヨークでは「Baba O'Riley」が流れたことによって、WHOを知らない若い世代にも広まり、あらたなファンも増えている。
さて、オープニングはデビュー曲のI' cant explainで始まった。
hirokoとクリスの落ち着いた場所は昨晩に比べるとかなり後方になる。
おまけに人が絶えず割り込んだり出て行ったりの出居りの激しい場所になってしまって、なかな落ち着けない。
???サウンドの方も完璧に近かった昨晩のRoger Watersにう比べるとかなり落ちる。
こいつは収録は諦めだな・・・普通の音の逃げる典型的な野外クオリティーになるはずだ。
ということはもう今夜は踊る!
どのみち1週間後のT in The ParkはTV放映されるからそこでじっくり見て聞いたらいい!
しっかし、やっぱUKのバンドだなぁ。
観客たちの乗りは違う。
50を過ぎた多分会社でも上役で若者たちに支持を下しているだろう、家庭でも立派なお父さん然として恰幅のいいおじさんたちが半パンにサンダル姿でまるで少年時代に戻ったかのようにはしゃぎまくっている。
凄くほほえましい。
ここにきて1つ大きなことが分かった。
遠い日本では感じ得なかったことなんだが、UKで長く暮らしていくうちにしっかと分かったのは、例の破壊、暴力行為が当時の若者の苦悩し、不満を極め、鬱屈する当時の若者の心をしっかと捕まえたということだ。
つまりフーリガンの心理だ。
ROCK界のフーリガン。
気候天候の著しく悪い暗くて寒いイギリス。
当時のロンドン以南至上主義のスノッブなマーガッレット・サッチャー時代の状況下だったわけだ。
金持ちにはゆるく貧乏人には厳しい政治だった。
いい学校へ行ってもコネがなければ、金がなければ仕事も獲得できない。馬鹿らしくて勉強なんぞしてられっか!
仕事を得てもまるで雀の涙。楽しいことなんぞありゃぁしない。
ただ1つ、週末にPUBへ繰り出して、フットボールの試合を見ることだけだ。
ここで1週間の鬱憤を晴らすんだ。これだけが楽しみだった。
今の時代とは違って、ラグビーは上、中流階級の者たちのスポーツでフットボールは下流階級のスポーツだった。
ウサを晴らすドラッグも必要だ。だが、ドラッグの世界に一度足を踏み入れると抜けることは容易な事ではない。
ドラッグを買い続けるためには金がいる。
金のないものは強盗や暴力で持ってその代金を獲得する。
唯一の楽しみのフットボール、これに全精力を注ぐのだ。社会に対する怒り、鬱憤、苛立ち、苦悩、ひと時でも忘れさせてくれるものがこのフットボールであり、ドラッグだった時代なのだ。
応援しているチームが敗れると暴れ出す・・・・そういう図式だったし、丁度その時代このフーリガンが勢力を膨大にしていて、ヨーロッパのありとあらゆるリーグやカップから4年だったか5年だったか締め出しをくらって出場できなかったこともあったくらいである。
今そういう時代を想像しながら歌詞を聞いていると、その当時の若者の怒りや苦悩の代表者だったんだ・・・・成る程なぁ・・・・と頷ける。
でもって今の現代、確かに豊かにはなったが、また戻っている感じがしないでもない。
今の若者も、やはり病んでいるし、社会に対する激しい怒りや苦悩を秘めている。
ドラッグに溺れるものも増えているし、やっぱり金がないとコネがないと職にありつけない。
フーリガンも依然として健在だ。
故に、またこのThe Whoが現代の若者の新しいファンを増やしているのも頷ける。
まさにイギリス(イングランド)を一番映し出しているバンドといっても過言ではないような気がする。
ステージではエネルギッシュにロジャーとピートが跳ねている。
ピートのお得意の腕のぐるぐる回しをするたびに観客が歓声をあげて喜ぶ。
ピートに負けじとロジャーもマイクをぐるんぐるん。
4曲目のWho are Youで大乗り。
ふっふ、ふっふ!ふっふ、ふっふ!とオーディエンスは合わせる。
新しいアルバムからの新曲だよとピートが曲を紹介していく。
Real good looking boy!
愛さずににはいられないのメロディーがピアノでスタート。
なかなか綺麗なメロディーの曲だ。新しいアルバムが楽しみだなぁ。
CSIニューヨークで」おなじみの「Baba O'Riley」
好きな楽曲!これ好きやったわぁ!
ズーンズンズン!足を交互に踏み鳴らす。
「どのくらい昨夜のライヴを見た人がいるんだい?」
とオーディエンスに向かってロジャーが聞く。
殆どの人間が高々と手を上げる。「Wow!何というスタミナなんだ!Greatなショーだったね。」
The Kids Are Alright。。。随分昔の曲だから覚えているかな?とロジャー、するとピートがこうだよ!とギターをじゃらじゃら鳴らして、こうだよ!
デビューアルバムからのものだ。そして同じくデビューアルバムのタイトル曲「My Generation」。
Rockを知らない人でも耳にしたことくらいはある曲だろう。
そしてラストへ。
多分The Whoのファンの人ならやっぱり一番これが代表曲なのかな?
キーボードのイントロを聞いただけで、湧き上がる。
Won't get fooled Again。
しかし、ロジャー君、声の張りは衰えているとはいえ、最後のシャウトは決まっていた。
あっという間のステージだ。
アンコールの時がきてしまった。
Substitudeノリのいいロックンロール・ナンバー。
TOMMYからのナンバーが続く。
ああ、帰ったらまた映画を見たいなぁ。
バンドのメンバー紹介の時に、ドラムでリンゴ・スターの息子、ザックが叩いていることを始めて知った。
へぇー・・・お父ちゃんより上手いじゃん!
hirokoはやっぱり、TOMMYが好きやなぁ。
あっという間のステージだった。
2夜に渡った熱き熱きライブ・・・全くタイプの違った2つのショー。
どちらも素晴らしいの一言だ。
体はめたくそ疲れた。
だけど、精神のエネルギーはしっかりと充電できた。
やっぱROCKはいい。
Set-list:
Can't Explain
Seeker
Anyway, Anyhow
Who Are You
Bargain
Behind Blue Eyes
Real Good Looking Boy
Drowned
Mike Post
Baba O'Riley
Love Reign O'er Me
The Kids Are Alright
My Generation
Won't Get Fooled Again
Encore
Substitute
Pinball Wizard
Amazing Journey/Sparks
See Me, Feel Me
Listening To You