ライン

眠らない街ニューヨーク・ニューヨーク


プロローグ
狂喜の5連荘ライブ予定
ニール・ヤングの魅力
マイブック
エピローグ

 
プロローグ

2004早々のブリティッシュ・エアウェイズのSaleに目を止めたクリス君。
年末に一度は候補にあがったホリデイ地だったのを、航空券の高いのを理由に諦めた。
ところがこれである。
いつもWEBや新聞や旅行会社に並ぶホリデイ価格や航空券の価格はその殆どが、From London価格である。
そりゃあLondonに住んでりゃぁ、何も言うことはない。
しかし、こちとら出発地はエジンバラ。
まぁ、格安のイージーJETが強い味方ではあるが、これとて、ロンドン出発のフライトが夕刻や夜とかならいいが、朝とか昼ともなると、乗り継ぎが順調にいくケースはかなり狭くなってくる。
そうなると前日にロンドンで宿泊して・・ということになり、結局安いフライト価格でもこういう諸経費が重なって、高くなってしまうというのが現状である。
ところが、たまにはスコットランド出発の価格と言うのが出てくる時がある。
こいつもそうだった。
エジンバラを出てマンチェスターを経由し、そこからニューヨークへと飛ぶフライトが£330.
まぁ天下のブリティッシュ・エアウェイズでスコットランド出発としては安い方である。
何故にニューヨーク?ということになるのだが、やっぱりこいつがニール・ヤングを見に行くというのである。
ここ数年、ホリデイと名を打ちながらも、内容はコンサートを見に行くというオマケとなってしまっている。
まぁ、一石二鳥な訳である。
んがしかし、これで2年に渡ってスペイン、又は地中海での夏のビーチホリデイを諦めたということになる。
おまけに騙し騙し使っているコンピューターの買い替えだって・・・おい!もう1年ガンバってくれよ!とはたきで禊ぎをする。

今回は3年越しのトレード・パートナーであるオーストリアのジョージも飛んでくるという。
ボストンからは彼のパートナーであるジムが下りてくることになった。
つまりニール・ヤングがヨーロピアン・ツアーなんぞをしたら、TaperであるhirokoはUKで参加したライブをCDにしたり、イングランドやスコットランドのトレーダーから貰ったその他各地のライブCDをジョージへ、ジョージからはその他のヨーロッパ各地の収録CDをhirokoへ・・・でもって、ここにドイツのラリー君が加わって、ヨーロピアンツアーを全て制覇できる仕組みを組み立てた次第である。
ところがUSツアーになると、やはりアメリカという名の遠い海の向こうから、ジム君が頑張ってジョージと取引しているから、これでUSも殆どを網羅できるということだ。
2003年はこの黄金のトライアングルでもって殆どのブートレグを収納できたのである。
勿論2003年は日本ツアーがあったので、日本の方にもお世話になった。
そのお世話になった日本の方にはこちらでゲットした収録を・・・という具合にトレードってやりだすと止まらない。
しかし、実際にそのトレーダーと生で会えるチャンスなんて殆どないのだ。
だからこそ、こうした機会は本当に有り難い。そうこう言ってるうちに今度はドイツのUWE君から連絡が入る。
「おおい!おいらも行くぞぉー!」
なんと言うかこれはすごく面白い旅になりそうだ。

ライブを楽しむ大人のニューヨークってなわけだ。
そしてダブルパンチを加える如く、17日。
3月17日はセント・パトリック・デイである。
アイルランドの守護聖人を盛大に祝うアイリッシュのお祭り。
アイルランドのみならず、ここスコットランドにおいても、本場のスコットランドの守護聖人であるセント・アンドリュースのお祭りよりもこのセント・パトリックデイの方がはるかに有名で盛大である。
移民の国アメリカ、特にアイリッシュの多いボストンやニューヨークでのこのパレードは世界的にも有名である。
その日が重なるのである。
昼間に思い存分アイリッシュのお祭りを楽しんで、ケルト音楽やバグパイプのパレード、そしてギネスをたらふく飲んで、夜はニールのコンサートとくるもんだ。
楽しみが倍増するニューヨーク。
E-bayにて双眼鏡付きデジタルカメラも£20.00で競り落として、しっかりgetした。
準備万端だ。
運気が悪い2004年、そして悪い方角であるニューヨーク。
ちょいとばかりビビリながらも、大学時代の先輩から頂いた「方違神社」のお守りを首からつるして、コンサートCDを携えて乗り込めば、悪霊だってぶっ飛ぶはずだ。
何かが起こったら起こったときのこと・・・
大枚を叩いたんだ!
楽しまなくてどうする!である。

出発直前にはUwe君から、写真の催促。
何をするんや?と思っていたら、これである。
このネームタッグを首からぶら下げてニューヨークの町を歩くのか?

何やらおのぼりの団体さん旅行客のようで、格好悪りぃー。
だが、祭りだ!祭りだ!
 
 

行ってきまぁーす!
 
 



狂喜の5連荘ライブ予定

2003年は5月にロンドン3連荘ライブ、そしておまけのマンチェスターに参加した。
ニールヤングのヨーロピアン・ソロ・ツアーである。
今年もやっぱりニールヤング、そしてそれにクレイジーホースが加わったエレクトリック・ライブとなる。
狂喜なのはさらにこのうえにJackson BrowneとAllman Brothersが加わり、5泊7日のニューヨークの夜は5夜ともにライブへと足を運ぶ予定となった。

当初発表されていたのが、3月17、と18の二日間だった。
連荘でライブを見れるなんてサイコー!などと思っているうちに、事態はちょいちょいと思わぬ嬉しい方向へと変わっていく。
16日にジャクソンブラウンがニューヨークでソロ・ライブをやるという。
クリス君、すかさず、チケットを取る。
そしてお次はオールマン・ブラザーズときたもんだ。
19日に行こう!と決定打を下す。
今度はhirokoが頑張ってチケットを取る
うへへ・・すんげぇー4連荘だぜ!
と思っているうちに、ニールの追加公演が20日に決定。
何とも偶然にしては話が出来すぎている。
hirokoの神通力。
またしても神通力には磨きがかかる。

観光している場合ではなくなったし、大散財である。
しかし、こんなことって人生の内にあと何度体験できるだろうか?
(こいつは2002年にCSN&Yを見に行った時にもほざいていたような気がする)
特に、ニールヤングだけならまだしも、クレイジーホースを伴ってのライブがあと何度生で見れるだろうか?
もうメンバーには60歳になったものもいる。
一たび、体調を崩せばもうおしまいの世界である。
hirokoの直感が告げる・・・警告を発してしまう。
「多分、これがNY+CHの生の見納めやで・・・」と。

3月16日  Jackson Browne
3月17日  Neil Young+CrazyHorse
3月18日  Neil Young+CrazyHorse
3月19日  Allman Brothers Band
3月20日  Neil Young+CrazyHorse

笑いが止まらない。
 



マイブック
 
  3月16日

「Beautiful Blue Birdてぇーのはどうだい?」
Uwe君からニックネームを求められたってぇーのは昨日のマイブックに掲載した。
しかし、こんなことを言ってくれるなんて、滅多やたらにないことだ。
だから繰り返す。

まぁ、絵マークは無視するとして、そーか・・・ドイツ人にはhirokoはビューチフルなブルーバードに見えるんか・・・
そーやな・・ドイツへ引越しもエエナ。
クリス君は思わず、ブヒブヒと笑っている。
「何や?何やねん?おいおい!君のだねぇ、つまり奥様はだねぇ、ビューチフルなブルーバードなんだよ!」
クリス君のブヒブヒは止まらない。
こちらも反撃だ!
「あなたは私のハーヴェスト・ムーンよ!」・・・hirokoは言いながらブヒブヒと笑いが止まらない。
まぁいくらなんでもビューティフルはつけがたいので、Danger Birdと名乗ることにした。
かくして、マクファージン家は一日中このニックネームで呼び合うことになった。
なんと言うかおめでたい二人である。

早朝4時半にブッキングしていたTAXIはきっかりとやってきた。
エジンバラ空港を7時のマンチェスター便。
この時間帯の国内便なんぞは乗ったことがなかったものだからのんびり構えていると、いかんせん、ラッシュアワーだったのである。
長い長いキューをなしている。
そうだよな、エジンバラ、ロンドン間だけでなくエジンバラ、マンチェスター間もビジネスマンで一杯だった。
飛び立ってそそくさと急がされるように配られる、ブレックファーストにコーヒー。
味わっている暇もないくらいに、あっと言う間にマンチェスターにランディング。
トランスファーの時間はたっぴりと設けられてあったので、ゆっくりと免税店でタバコを買う。

さぁ、搭乗時間がやってきた。
アメリカ行きの便はやはり他国へのフライトよりも警備が厳重な感じがする。
2年前にアムステルダムからボストンへ飛んだ時も、鞄は調べられるわ、靴は脱がされるわ、一人一人慎重なチェックがされていたのを思い出した。
ブリティッシュ・エアウェイズのニューヨーク便。
ロンドンはヒースロー出発の便は時折、テロ警告が入りキャンセルがかかっているが、さすがにマンチェスターからの便は聞いたことがない。

搭乗券とパスポートを係員のインド人に手渡したその時である。
黒々して愛想の実に悪いおっさんはこう言った。
だいたいUKのインド人は愛想がものである。
hirokoの住むマッセルバラのショップなんぞのインド人は実に愛想が良くって親切なのに・・・

「グリーンカードか?ヴィザか?」
「????何を言ってるの?私はグリーンカード保持者だよ!」とhirokoはパスポートにしっかり張り付いているグリーンカードを見せる。
するとどうだ、「違う!グリーンカードか?ヴィザか?」とまたもやおっさんは言う。
「何を言っているのかわかんない・・・」
「アメリカに入るにはヴィザか?グリーン・カードがいるんだ!」
おっさんは睨み付ける。
「ええっ???!!!何度もアメリカには行ってるけど、今迄も何もなかったよ!法律が変わったの?」
ひょっとしてテロ以来日本人にもヴィザがいるようになったんかいな?そやけど聞いたことない。
だいたいお金をボコボコ落としていってくれる世界一有難い観光客ニッポンジンに対してヴィザがいるだと?
んなあほなである。

「変ってない!」おっさんは履き捨てるように言う。
変ってないなら、おっさんの大ボケやな・・・と内心で笑い飛ばしていたが、おっさんは大真面目に怖い顔。
列はhirokoで止まる。
おっさんはhirokoを別の一角に押しやり、列の対応を始める。
これにはクリス君もキレちまった。
「しっかり説明をしてくれないか?僕たちは2年前にアメリカには行ってるけど、何も問題はなかったんだ、法律が変わったのかい?」
おっさんはマニュアルオウムとなって「アメリカへ行くんだろ?ヴィザかグリーンカードか?」
を繰り返すばかり。
おっさんのあまりにもの威圧感と大真面目な顔に、二人とも・・・もしかして???などと一瞬青い顔になってしまった。
とうとうおっさんはhirokoのパスポートをひらひらさせながら面倒くさそうに奥の部屋に入っていった。
(上司にどーするべ?か聞いているのだろう)
おっさんは戻ってきた。
何食わぬ顔をして表情一つ変えることなく依然としてブスっとしながら、hirokoにパスポートを返し、通ってもいいと促がした。
「ごめんなさい、おいらが間違ってました」もなしにである。
これにはhirokoもぶっち切れる。
誰にだって間違いはある。
しかしだなぁ、間違って相手を不機嫌にしてしまったら、謝るのがスジではないのかっ!
ここで中指をおっ立ててFFFFF!で暴れてやりたい心境にかられたが、ここで暴れて本当にアメリカへ入国出来なかったらあほらしい。
ここはちょいと大人になってぐぐぐと堪えた。
(このド馬鹿野郎めっ!インドに帰ってカレーでも作ってろ!)と・・・おっと・・・hirokoはレイシストではありませんので、誤解せんといて欲しい・・・・
それくらい叫んでやりたかったってことである。
こいつは旅から戻ったら、いっちょブリティッシュ・エアウェイズに抗議文を書いて出してやろう!
ひょっとすると次回の何かのフライトのディスカウント・バウチャーの1枚でもありつけるかも・・・
しっかし、出だしから気分が悪いではないか!
クリス君がそれ以来hirokoの顔を見ながら「グリーンカードか?ヴィザか?」と茶化す。

レートがいいお陰で機内は空席が見当たらない程満杯に詰まっていた。
ニューヨークのJFK空港までのフライト時間は約9時間と睨んでいたが、実際8時間ちょいあまりで到着した。
歳を重ねるごとに長時間のフライトがしんどく感じるようになってしまった。
日本なんぞは11時間近いんだから、帰るのは嬉しいのだが、飛行時間を考えると憂うつになってくる。
せいぜい6時間までが限界だよなぁ。
ウトウトとはしながらもなかなか眠れるものではなかった。

ようやく到着したニューヨーク。
おっそろしくサブイ!
雪が舞い落ちて、道路は一面が雪野原。
確かスコットランドはこの日は14〜15度などという春真っ只中なはずである。
何とも、こちとらは零下ではないか!
ようやく春だよ!でウキウキのスコットランドから出てくると、またまた真冬。
もう!勘弁してぇーな!である。

空港からダウンタウンへのシャトルバスに乗り込んだ。
ホテルまで送迎とやらが15ドル。
ああ、やれやれ!と窓から容赦無しに振り落ちてくるボタボタ雪に見とれていた。
バスはペンシルバニア駅で乗客を降ろす。
ここからまた別の小型バンが来るらしい。
しかし、降ろされた所が屋根もベンチも何もない道路。
ボタボタ降り注ぐ雪、びゅんびゅん横なぶりに吹き付ける凍えた風・・・・いつやってくるともアナウンスも何もない。
ああ、これが世界1の大都会ニューヨークの観光客に対する扱いなんやな。
うんざりしてしまう。
凍える中で小型バンの到着を待つ。
ようやくやってきたバンに乗り込み、5夜の宿となるニューヨーカーHOTELへと到着。
何でもニューヨークで一番古い超高層ホテルらしい。
かなりな規模のでっかいホテルだった。
部屋になだれ込んだ。
古いが、ちゃんとバスタブもあって、奇麗で心地よかったのでひとまずは満足。
普通ならここでベッドへなだれ込んで、大爆睡するところである。
ところが今夜はライブ第一日目のジャクソン・ブラウンが控えているのだ。
ああ、これはかなりな強行軍やな。
さて、ここから今夜の会場であるビーコン・シアターへのルート確認。
この大雪、タクシーはまず捕まらないだろうとフロントで言われてしまったので、地下鉄だ。

ドアホをここでやらかしてしまう。
外に出てびっくり仰天。
道路は雪でぐちょぐちょになっている。
hirokoの足元は・・・パンプスちゃん。
あ・る・け・な・い!
クリス君が口を開けたまんま・・・「嘘だろ?そんな・・・君はワールドトラベラーだったはずだろ?」
「あのねぇ、スニーカー入れてこようとは思ったけど入らなかったんやもん。それに世界一の大都会の道路がいくら雪とは言えこんなぐにょぐにょになってるやなんて、誰が想像出来るんさ!」
hirokoはベソをかく。
たった1ブロック先の地下鉄の入り口すら、行き着くことが困難である。
もうこうなったら、どうにでもなれい!でhirokoは開き直る。
パンプスの中には凍り水が容赦なく入り込んでくる。
足が凍傷になりそうだ。
アホやった!マジであほやった!
今晩さえ辛抱すれば、明日は一番にごっついスニーカーを買いにいこう。
とにかくひっくり返らないようにすることに集中。
会場に入ると、一応はほっとはしたものの、やはり足が凍えて、身体の芯まで冷えきっていた。

コンサートが終了し、再びぐにょぐにょの雪道路を歩き、地下鉄で、再び1ブロック雪道路を歩いてホテルへ戻った。
部屋に戻るなり、バスタブに熱いお湯を張り、ようやく凍傷寸前の足は心地よい気分となる。
長い長い長ぁーい、1日だった。


3月17日


昨夜の凍えでもって、やっぱり風邪を引いてしまったようだ。
今日も雪が振り落ちて、かなり冷え込んでいる。
おいおい!ずっとこの調子かよぉー!
今日は3月17日、アイリッシュの守護聖人セント・パトリックを祝うセント・パトリックデイである。
華やかなパレードが繰り広げられる訳だが、この雪と寒さの中ではごめんこうむる。
ホテルの部屋でTV観戦している方がいい。
しかし、出発直前にジョージのホテルに10時に訪ねていくと約束したのだから、とにかく彼のホテルまでは行かねばならない。
コーヒーとクロワッサンで朝食を摂った後、ホテルの真向かいの靴屋へ飛び込んだ。
とにかくどんなぐにょぐにょ雪道でもへこたれない頑丈なスニーカーが必要である。
数々のスニーカーが並んでいる。
おおおお!嬉しくなっちゃう!
UKだったらこんな値段では買えないぜ!
18ドルのスニーカーを購入し、パンプスは箱の中に仕舞い込んだ。
まるで生きた心地のしなかった昨夜の足から、俄然元気な足に復帰。
ジョージのホテルへとブラブラ街を見物しながら歩いて行く。
マンハッタンの超高層ビルをどういう具合に吹き抜けていくのか知れないが、風の凄まじさには驚いた。
途中で薬局へ立ち寄って、風邪薬。
おおおお!嬉しくなっちゃうね。風邪薬も安い!余分に買っておこか?・・・まったく所帯地味て自分でも嫌になる。

ジョージのホテルはミルフォードホテル。おお、うちらより高級やな。
TELを入れてロビーにてしばし待っていると、背の高い色白の好青年がやってきた。
「はーい!」
「はぁーい!うっそみたい!本当にジョージやねんね?」
いつもメールでやりとりこそしていたが、こうやって生身の人間であること自体が物凄く不思議な感じがする。
彼も昨夜の到着だったのだが、オーストリアからアムステルダムを経由のニューヨーク入り。
何でもオーストリアからのフライトが遅れて、ニューヨークへのフライトを逃し、アムステルダムで6時間足止めを食らった。
ようやくフライトとなったまではよかったが、ごっついジャンパーを置いてきてしまって吹雪の中のJFKに降り立った時には夜の11時。
Tーシャツとトレーナーだけの寒々しい姿で凍えきってしまった。
とにかくホテルへ着けば・・・と思いきや、この季節はずれの大雪で交通状態はドえらく麻痺。
タクシーがなかなかやってはこない。
「ナイトメアーだったよ。・・・・・」とは言いながらも、さすが寒国出身!元気そうに笑っている。
「とにかく朝一番にジャンパーを買いに出掛けたよ・・・・」
クリス君とhirokoも昨夜のナイトメアーを興奮気味に話す。
ジョージはhirokoの靴を見て、笑っていた。
お土産に2004年ロスでのニールヤング&クレイジーホースの収録CDを貰らい、こちらからはミニチュア・ウィスキーを手渡した。
さぁて、これからどうする?セントパトリックのパレードは行くの?との問いに、この寒さの中、昨日一日で風邪引いちゃったんだと二人は辞退した。

ここは今夜は本命のニールのライヴ。
体調を万全に調えて望みたい。
ホテルへ戻って、薬を呑んで、昼寝をして・・・・と二人は計画を立てる。
小さなスーパーでスナック菓子を買い、ホテルへ戻ると、あでやかなアイリッシュのバグパイパー達が玄関でぴぃーひゃらひゃらとパイプを鳴らしていた。
おいおい!こんなとこまで付いてくんなよっ!
こちとらはバグパイパーの本場中の本場からやってきたのである。
ましてやエジンバラのプリンシズ・ストリートに行けばぴぃーひゃらひゃらの洪水なんである。
勘弁してくれよぉー。
疲れた時のバグパイプの音ほど耳障りなもんはない。

風邪薬の効果は抜群だった。
あれだけしんどかったのが嘘のように、元気バリバリになっている。
コンサートまでにまずは腹ごしらえである。
こんな零下の寒い夜にはやっぱ暖かい汁もんが欲しい。
意見は一致して、サッポロ・ラーメンへと入る。
うちらのE−BAYでのユーザーネームでもあるサッポロラーメン。
クリス君お気に入りの名前だ。
6時半と言う時間帯もあってか店には列がなされていた。
何の装飾も施されていない簡単な作りのお店だったが、熱気はムンムン。
ニューヨークずれした日本人を一杯見掛ける。
働いている日本人達もやっぱりどこかが違う。
同じ日本人なのだが、ロンドンの日本人とは全くまた違っている。
喋る英語もベロンベロンに舌を巻いている。
大都会のニューヨークのサッポロラーメン。働く日本人には愛想というものすら見当たらない。
年の頃は35〜6歳だろうか・・・女店員が実に無愛想。
客商売なんやからにっこりせぇーよなっ!お水を無造作にテーブルにボンと置く、中の水が驚いて撥ね上がっていた。
都会へ行くほど人は冷たくなる。そういう冷たさに慣れきってしまったニューヨークの日本人。
世界1の大都会ニューヨークで生活するために必死で日本ラーメン屋で働いて・・・若い学生ならわからんでもないが・・・
何となく悲しい。
やっぱりhirokoは笑顔のあるUKの方が心地いい。


3月18日

昨夜の興奮が止まない。
初めてのGREENDALE物語のエレクトリック・バージョン。
昨年のソロのアコギも格別だが、比べること何て出来やしないが、華やかな色付のパワー溢れるステージ・ショーの余韻が残っている。

寒さは依然と厳しいが、雪が止んで青空さえも見え隠れするようになっていたニューヨークの朝。
今日はドイツの友達Uwe君が飛んでくることになっている。
しかしだ、ジョージのように万が一飛行機が遅れでもしたら・・・と少し心配だ。
ましてや到着当日のライブは、やっぱしんどい。
Uwe君のホテルへ出向いて、奴の誕生日のプレゼントとカードをフロントに預かってもらおうということにした。
クリス君はエンパイアステートビルにどーしてもhirokoを連れて行きたくて仕方がない。
hirokoの本音といえば、観光なんぞはどーでもいいのであったが、たまには婿孝行をせねばなんない。

だいたい9月11日のトレードセンターのあのようなテロで、まさか崩れ落ちるなどとは想像だにしなかった
ビルが崩壊したのである。
あの生々しい光景を浮かべると、ほいほいとそのような超高層ビルに登るなんてことはゴメン蒙りたいところである。
どうせ、観光客の列にもみくちゃにされながら、幼稚園の遠足みたいな群れになるに決まっている。
渋々ながらエンパイア・ステート・ビルディングへ。
あああああ・・・並んでる。
早くも列が蛇のようなトグロを巻いていた。
何でも降り積もった雪が氷になって上から塊となって落ちてくるから危険らしく、展望台の外へ出ることは出来ないそうだ。
まぁ、このビルは映画の「キングコング」がぶら下がっていたり、メグ・ライアンとトム・ハンクスの「スリープレス・イン・シアトル」
で舞台になったところ。
チケットを買う列で約40分あまり、そこからエレベーターに乗るまでに30分あたり。
ジェットコースターに乗るために並ぶのならまだ楽しいが、ただただ高いところへ登るだけでこの待ち時間とは、少々うんざりきてしまう。
やっとのことで展望台まで上がりはしたが、外に出れず中だけの世界である。
まるで満員電車のような人人人。
汗が滲んでくる。
景色とは言っても曇っているので視界はよくない。ただただぐるぐると狭い展望台を人の群れに流されながらブラブラする。
これじゃぁ大阪の通天閣と変んない。
土産物がぐちゃごちゃ並べ立てられて、気分が悪くなる。
まぁ、エンパイア・ステート・ビルに登ったんだ・・・という事実だけを残して、そそくさとエレベーターを降りた。
新しいものにスカイライドというアトラクションが出来ていて、巨大スクリーンが目の前に広がる乗り物に乗って、バーチャル・スカイ・ライドでケビン・ベーコンがナレーターとなって、ニューヨークの街を観光するというもので、こちらの方が数倍楽しい。
まぁ来た甲斐があったってもんだ。
エンパイアを後にして、Uwe君のホテルへ出向く。
お昼を過ぎては居たが、未だ到着していなかったので、フロントに届け物を放り込んで、ブラブラとホテルへ戻る。

ブラブラ歩いているうちに、ニューヨーク1安いと言われているカメラ屋さんのB&Hの前を通る。
「ねぇねぇ、デジカメ・・・見ていこうよ!ねっ?見るだけ・・・・」
hirokoはクリス君の手を引っ張る。
いろいろ見てるうちに、しめしめ!クリス君もその気になっている。
やっぱアメリカだねぇ。安い!hirokoの両目はへの時にひん曲がる。
「ねぇ、ねぇ、UKじゃぁ倍はするよね?」と追い討ちをかけるようにhirokoはクリス君に購買意欲を促がしてみる。
単純なクリス君、目をキラキラさせている。
こちとら遅れ馳せながらのデジカメ初心者である。
「スペシャリストにどうぞ!」の列に並び、出てきたスペシャリストにいろいろ意見を聞いてみる。
予算はこれこれで、初心者でも馬鹿でも使える安くて簡単なビギナー品・・・ということで、おじさんにいろいろ質問するクリス君。
結局ニコンの安いデジカメにメモリーも付けてもらって、店を出た時にはしっかりとデジカメをぶら下げていた。
欲しい欲しい!と思いながらなかなか買えなかったシロモノだけにhirokoは大満足。
Take a Wayの中華を買い込んでホテルへ戻り、hirokoはデジカメの説明書とにらめっこ。
お昼寝を決め込んで、ニューヨーク第3夜のニールのライヴへ。

7時、ラストフェストを行われているAPPLEBEESへと出向く。
3階のVIPルームに案内されて、いるわいるわ!クレイジーな奴等が・・・・
お世話役のレイ君に挨拶をして、UWEの到着を待つがなかなかやってこない。
大丈夫なんやろか?マジで心配になってくる。
回りを見回すと、ジョージの姿を捉えた。
にこやかにジョージがテーブルにやってきて、ボストンから飛んできたジム・ケリーと日本人のキヨシさんを紹介してもらう。
ラストフェストのVIPルームのスクリーンにはニール&クレイジーホースの2003年のオーストラリア公演の収録DVDが映し出されていた。
「はぁーい!私は○○・・・あなたは?」ってな感じでお互いを紹介し合う。
簡単な食事をして、又の再会を約束し、店を出てRadio Cityへ。
Uwe君とは出会えなかった。
まぁ最終日にまた会えるだろう。



3月19日


ニールヤングの映画「GREENDALE」が今日から1週間限りで、公開される。
何でも7:30のショーイングには本人の舞台挨拶もあるとかないとかの噂が流れてはいたが、こちとらは今夜は第4夜目のオールマン・ブラザーズのライブを控えているため、この時間は断念した。
その代わり、公開初日の朝一番の上映をキャッチしようと、11時半始まりのサンシャイン・シネマへと向かう。
ダウンタウンにあるこの劇場、うーん。インディペンデント・ムービーを主に上映しているのだろう、かなりさびれている。
こんなところにマジでニールが来るんかいな?と思いながら、開場を待つ。
チケット売り場で並んでいると、ジョージがにゅーっと顔を出した。
「やっぱ、来たんだ!」
そのうちに日本人のきよしさんも顔を出した。
(この模様はまたレビューのコーナーで・・・)
今夜オールマンのライブの前に一緒に食事をしようということになった。
ジョージがTELをするよということで話はまとまった。


映画を見終えて、再びホテルへ。
戻る前にフードコートを見付けてしまった。
ジャパニーズなんかもある。
んが?ジャパニーズと言えどもやっぱりチャイニーズが演じるジャパニーズだった。
チキンの照焼きもやっぱり味は中華である。
ここんとこずっと中華ばっか食べている。
安くてボリュームと言えばやっぱ中華しかない。

再びホテルまでの途中で衣料品屋さん。
そうだ!クリス君のパンツ、靴下も買っておきたいな・・・ついでにあたしのパンツも・・・
頭の中の計算機がドルと£の変換を即座に打ち出す。
安いわぁ!嬉しくなっちゃう!
付き合い切れないクリス君は一足お先にホテルへ戻り、hirokoは目を血眼にして下着ショッピング。
アメリカって住みたくないけど、好きだわぁ!
hirokoは袋いっぱいに下着を買い込み、ついでにジーンズまでおまけに追加した。
やだなぁ・・・何しに来たんやろ?全く所帯地味てるわ・・・こんなんやなかってんで・・・昔は・・・と
苦笑い。

お昼寝を終え、もう出ようか・・・と思っていると、ジョージからのTEL。
急いでホテルを出て、初日でドえらい目に遭ったビーコン・シアターまで。
7アベニュー34番街の地下鉄。
これは出来れば避けた方がいい。
今は地下鉄もトークンではなくカード化しているのはいいことなんだが、このカードのセンサーが全くこの駅の
改札が感知しないのだ。
二人は朝、ダウンタウンまで出向いた時に1日チケットを購入していたので、そのまま何食わぬ顔で改札にカードをスルーっ!
???あれ?あかんわ。もう一度・・・あかん。
4度目あたりでhirokoのカードはようやくGO!サインを頂いた。
ところがクリス君が糞詰まる。
何度も何度もトライしてもGO!サインが出なくて通れない。
時間は通勤帰りのラッシュアワーを迎えている。
ほんまもののニューヨーカー達が迷惑そうに不慣れな観光客に冷たい視線を浴びせる。
中には親切な人もいて、カードを擦ってみてくれたりしたが、一向に冷たい鉄のパイプは動こうとはしない。
クリス君・・・fffff。
hirokoのカードを改札越しに渡したが、こいつも言うことを聞かない。
この男・・・機械に嫌われている。
しかし、何もクリス君だけに限らず、4〜5人が糞詰まっている。
何やねん?感知器を変えやんといかんで!全く!
ブースの黒人のおばはんにやいのやいのと苦情を申し立てる。
ブースのおばはんは実に不機嫌。代わりのカードをクリス君に手渡す。
再び、トライ!んが、しっかし、やっぱり糞詰まる。
これにはクリス君、キレギレ!
他にも2〜3人がやっぱり通れない。
ものの15分ほどすったもんだでトライしていたが、ようやく無愛想不機嫌おばはんはボタンを操作して別口通路を解放してくれた。
みんなはブリブリと怒っているがおばはんもぶりぶりと怒っている。
ちゃんとした料金を払ってカードを買っているわけなのだ。何で怒られないといけないんだよ!
クリス君は機嫌がドえらく悪くなった。
もう二度とあの駅からは地下鉄は乗らないぞ!ちょいと歩いても違う駅からだ!ブリブリ!
来た車両に乗り込んだ・・・???うん??何か違うぞ・・・番地が減っている。
ああ!反対やんけ!
二人ともかっかとしていたもんだから、ビーコンシアターとは反対方面の列車に飛び乗ってしまったのだ。
ああ、ああ、もうディナーは無理だな・・・・まぁとにかく向こうに着いたらHello!とだけ声をかけよう。

初日と同じビーコンシアター。
あの冷たい悪夢が思い出される。
へん!今はちゃぁーんとごっついスニーカーでい!雪でもみぞれでも矢でも鉄砲でも持ってこい!ってんだ。
待ち合わせであるレストランへ向かう途中で、ジョージ、ジム、きよし軍団に出会う。
「ごめん!アキシデントがあってね!」
オールマンのライブ終了後に再びPUBで待ち逢うということで落着した。

アメリカでは信じられないほどの煙りモクモクの会場を後にした。
出口でジム、そしてジョージと合流。
きよしさんはこの興奮の流れで、このままジャズクラブへ行くと言う。
すんげぇーパワーやなぁ。
きよしさんを見送った残りのメンバーでpubへとなだれ込んで、ようやくゆっくりとビールを飲みながら、熱く音楽を語り合った。
hirokoはこういう一時が一番幸せである。





3月20日


とうとう5連荘ライブの最終夜を迎える。

マンハッタンは本当に眠ることがない。
ネオンが深夜も赤々と華々しく、パトカーや救急車のサイレンが日夜問わず鳴り響いている。
さぁて、せっかくここまできて観光らしい観光もしていない。
人でぎゅーぎゅー詰めになったエンパイアステート・ビルに登っただけである。
さりとて、観光とはいっても何を見るんだ?
ニューヨーク、あまりにもTVで見慣れてしまって「うわぁー!これがぁ!」という感動にイマイチ欠けている。
タイムズ・スクエアーなんぞは思ったより小さくて拍子抜けしてしまたくらいである。
タイムズスクエアーにデコレートされている日清のカップヌードルがやたら美味そうに見えたくらいのことだ。
ましてや英語圏ヘのホリデイは緊張感がなくて、hirokoにとっては面白くない。
まぁ安い買い物が出来ることぐらいの楽しみであって、今回は特に目的がライブということもあって、観光というものを予定に入れることがなかったが、さすがにあと2日を残すのみとなって、やっぱ自由の女神ぐらいは・・・という気持ちに傾いた。
地下鉄にのって登ったり降りたりするよりも、いっそのことダブルデッカーの乗り降り自由な観光バスに乗り込んで一周する程度で充分やな・・・という結論に達した。
明日もフライトが夕刻なのでまだ半日残っている。
乗り降り自由なダブルデッカー観光バスには4つのルートがある。
ダウンタウンを回るコース、アッパータウンを回るコース、ブロンクスを回るコース、そして夜景コースである。
それぞれがお一人35ドルとなっている。
だが、この4つを全て自由に2日間通しで利用できる超お買い得なチケットもある。
お一人49ドルだ。
これで今日半日と明日の半日の時間潰しが出来るということで、二人はこのお買い得チケットを購入した。
まずはダウンタウンへ行こう。
4つのコースのうちで一番人気はやっぱりダウンタウンを回るコースだ。
この寒い中、さすがのニューヨーク。
バスを待つ長い長い列がなされている。
こんな時期でもこれほどの人出なんだから、夏場はさぞかしクレイジーなんだろうなぁ。
この調子だと、いくら乗り降り自由とはいえど、一度降りてしまうと、次にやってくるバスに乗り込める可能性はかなり低い。
これは降りることなく1週ぐるりと回るにこしたことはない。
何せ1週回るだけでも2時間を要するわけだから・・・・
1台目には乗れずに2台目を待ち、ようやくダブルデッカーの2階席に陣取った。
冷たい風がびゅんびゅん吹き付けて、じっと座っているのが少々苦痛ではあったが、バスはタイムズスクエアーを後にマンハッタン島を下へ下へと降りて行く。

メーシーズ、マジソンスクエアガーデン、ソーホーへと抜け、リトルイタリーからチャイナ・タウンへ。
おお!世界中どこのチャイナタウンもまぁーったく同じようでほっとする。
偽物ブランド・バッグやら、偽者パイレーツDVDなどが路上狭しとひしめき合うように、立ち並んでいる。
9月11日のWTCテロ事件以来御なじみの光景となってしまったシティーホールから、バス越しにトレードセンターの跡地が見える。
1つの観光名所と化しているのか、多くの観光客が訪れているようだ。
あの事件が本当に起こったとはいくら歳月が経った今になっても信じられないでいる。
あまりにもニューヨークを破壊する映画が乱立する中で、まるであの事件が映画の1つの映像のようで、他所の土地から来た者には未だに実感こそ湧いてはこない。
しかし、あの強烈な映像はしっかりと目に焼き付いたまんまである。
その後戦争も始まった。
世の中はついこのあいだもマドリードでテロが起こったばかりである。
二階建てバスのシートに座り、満員の観光客に交じって観光をしている今この瞬間があまりにも平和過ぎて不思議な気分である。
あの日、こうやってバスで観光していた人達もいたんだろうな。たくさん・・・
そんなことを思いながら、痛ましい現場を遠巻きに覗いていた。
しかし、さすが世界一の大都会である。
あれだけ破壊されても、また建てようとしている。
あそこはメモリアルの何か記念のものを建てるべきではないのかなぁ?
そうこうしているうちに遥か右手に青い自由の女神を捕らえた。
まぁここも登るまでに何時間、登っても何分ほどの、エンパイアと同じような満員御礼状態なんだろうな。
一応見ました。。。というこれまた事実だけを残してバスは進む。
ステータン島へと渡るフェリーも船体から人が零れ落ちそうなくらいに満員御礼で動いていた。
タダとはいえ、別段渡ってみたいとも思わないので、そのままバスに残る。
国連、ラジオシティーなどを通り、約2時間半あまりのバスの駆け足観光は終わる。
冷たい風に散々吹かれ身体は冷えに冷え切っていた。
風呂に入り、今夜の為に昼寝を決める。

ニールヤング&クレイジーホースのニューヨーク最終日。
おのずとファンたちの交流会であるラストフェストも最終日を迎える。
今日こそUWE君に会えるだろう。
何せ、ネームタッグを貰わねばぁ!
APPLEBEESのVIPルームへ再び顔を出す。
レイ君とはたまた挨拶を交す、UWE君は来てる?
来てるよ!御待ちかねだよ!


そこへにゅぅーっとUWE君のドでかい顔が登場した。
「おおおおお!!!hirokoぉーーーー!」
「おおおおおお!!!!Uweぇーーー!」
ファイナリィー!!!でもってしっかとベアハグハグ。
おおい!心配してたんやで!UWE君の奥さんとも初体面ながら意気投合する。
やっとこUWE君からネームタッグを首にひっかけて貰って、これでやっとこ落ち着いた。
UWE夫婦はミュンヘンからマドリード経由で13時間かかってのニューヨーク入り。
みんなみんな苦労してやってきたんだよなぁ。
そしてこうやってまた再会が果たせたんだ。

素晴らしいよなぁ!!!!
UWE君と共にドイツからの連れであるマーク君を紹介してもらい、またもやニールを通じた友達が・・・

私たちちょいとの間しか顔を出さなかったけれど、ラストフェストの様子はここへ
http://www.smugmug.com/gallery/87719/2




3月21日


「もう死んでもええ!」とここ数年、ニールのライブの後にいつもこう叫んでいる。やっぱり昨夜のライブの後も叫んでいた。
大爆音響で大ノリにノッた、昨年のソロのライブとは又一味違った素晴らしいライブ。
そのオーラを全身にたっぷりと被せられ、吸収したエネルギーとパワーでもって、この2004年もこれを小出しに使いながら、何とか持ちこたえそうである。
彼の放つこの強烈なエネルギー、これだからニールのライブは辞められない魅力がある。
祭りの後のモワワンとした寂しさと明日からの活力とが交互にお互いを牽制し合っている。

5連荘ライブ、あっという間に過ぎてしまった。
今夜はもう帰途の人。
毎晩出歩くことなど滅多にないことだ。
緊張した5夜を終えて、少々忘れていた疲れがどっと押し寄せる。
チェックアウトは12時ということで、なるべく長くベッドの中でダラダラしていた。

昨日買った2日通しの二階建てバスの観光チケットにて、今度はセントラルパークのぐるりを回るアッパー・タウンへのバスに乗り込んだ。
昨日恐ろしく寒い思いをしたので、吹きっさらしの二階を避けて一階のシートに陣取る。
今日は日曜日。
観光客も凄まじき数である。
タイムズスクエアーは人人人で、歩くのが困難なくらいである。
ポカポカのお天気や夏だったらさぞかし心地いいんだろうなぁ。とバスの中からセントラルパークを眺めていた。
プラザホテル前を通り過ぎ、ガイドさんがここであのマイケル・ダグラスとキャサリンセタジョーンズの結婚式が行われたところだと案内していた。
ハリウッド1気持ち悪い夫婦の顔を思い出した。
ダコタアパートメント前を過ぎる。
ここで、ジョン・レノンが打たれたところだ。という説明にじぃーんときた。
マンハッタン島のダウンタウンはごちゃごちゃと乱雑なイメージだが人が生活をしているというのを感じさせるが、ミッドタウンはネオン街、世界中の人達がお金をドンドコ落としていく華やかな24時間街、そしてこのアッパー・タウンは明らかにアッパー・クラスが住む整然とした高級高層アパートメントが立ち並んでいる。
ウッディーアレンとミアファローがこのセントラルパークを挟んで右側と左側にアパートにそれぞれ住んでいたという。
このあたりは美術館や博物館が点在している。
時間がたっぷりあったなら、こういうところを時間をかけてまわってみたいところである。

タイムズスクエアに戻り、目を付けていたBUBBPA GUMPというチェーンレストランへ。
ここではエビがたらふく食べられるみたいである。
トムハンクスのアメリカアメリカした映画フォレストガンプのテーマ・レストランだ。
日曜日というせいもあって、しっかり順番を待たねばならなかったが、10分程度の待ち時間で呼び出して貰えた。
キャピキャピしたニューヨーカーのかわいいウエイトレスが現れ親切にいろいろ教えてくれる。
こういうウエイトレスならチップを弾んでやろうという気になる。
間違ってもあのサッポロ・ラーメンのゾンビのような年増ウエイトレスには1円たりともやりたくない。
今日のお薦め料理を注文、マヒマヒとか何やら言う魚なんだが、あとからよく聞いてみると、イルカの一種だという。
うううっ。イルカなんぞ食っちまったのか・・・・カワイソーでねぇーかっ!
このお店にはお店のロゴとイラストが挿入されたTーシャツやトレーナー、あらゆるグッズが売られている。
ビールを注文すると、背の高い素敵なビアー・グラスに注がれてテーブルにやってきたのだが、これがお土産として持ってかえってもいいとのことで、クリス君は御満悦。

ホテルへと戻る途中で最後のお買い物。
ジーンズショップへ入り、クリス君にリーバイスのジーンズを買った。
ホテルへ戻り、預けていたスーツケースを受け取り、ニューアーク空港へのバス。
来た時はJFK空港だったが、帰りはニュージャージにあるニューアーク空港だ。
タクシーだと52ドルと聞いたが、バスなら9ドルである。
マンハッタンを後にして長い長ぁーいトンネルを抜けて夕暮れのマンハッタンを後背に眺めながら、ようやくニューヨークともお別れする時がやってきた。
8時のフライトであったが、この時になってhirokoは体中に震えが・・・・
熱も少し出てきたみたいで、緊張の失った5日間の疲れが最後の最後になってどっと押し寄せてきた感じだ。
本格的に「風邪」モードに突入した。
飛行機に乗り込むと、風薬を飲み、毛布と言う毛布を被って、食事を辞退して眠った。
頭が痛く、身体が無性に寒い。ああ、たまらんにゃぁ。
殆ど眠っていたので、帰りは何だかあっというまのフライトだった。


3月22日

日付が変って22日、月曜日。
久しぶりのヒースロー空港だ。
エジンバラへと飛ぶ国内便への乗り換えでターミナル1へ移動する。
入国審査・・・「ヴィザか?グリーンカードか?」などととぼけた馬鹿を言う審査官はいなかった。
「そう、スコティッシュのハズバンドがいるのね!」とにこやかな審査官。
ああ、やっぱりUKはいい。
このにこやかさがいいんだな。
男性はドアを開けてくれるし、店員は必ずにっこり笑って「Thank you!」がある。
エジンバラに降り立つとここは春だった。
TAXIに乗り込んで、我家へと戻る。
ああ、緑がいっぱいで空が一面に広がっている。ほっとする。


 


エピローグ


5日連続の5連荘ライブ。
全てが順調にはいかなかった。
勿論5夜とものライブ自体は完璧な素晴らしいコンサート。
またしてもMAXCELLのミニディスクが大ボケを演じてしまう。
初日のジャクソンブラウンの1枚目・・・こいつはTDKだったが、クリス君がレコーディング。
ホテルに戻りチェックをすると、1枚目のディスクがエラーというか、何も入っていない。
2枚目のディスクにはしっかり録音されていたのだが・・・
さぁて、問題は3月20日のニールヤング&クレイジーホースの最終夜。
以前、マクセルのミニディスクのディスクエラーで、「マジック・バンド」のライブの収録を断念したクリス君。
怒りまくってマクセルに苦情の手紙を出したところ、マクセルからはお詫びで、10枚のディスクが送られてきた。
こいつをしっかりとチェックしてもってきた。
1日〜4日目まではTDKを揃えていたが、最後の5日目のディスクをこのマクセルで用意していたのである。
チェックしたのだから・・・と信じていたhirokoがアホやった。
やっぱマクセルはアホマクセルだ!
もう二度とマクセル製品は買わん!特にミニディスクなんぞは絶対買わん!
5夜目が終わってホテルに戻ると収録したはずの3枚とも何も入っておらんのだ。
ショォーク!である。
ジャクソンもショックだが、ニールに至ってはこれはただでは済まさんぞ!の世界である。
だがまぁ、仲間がたくさんいたことだし、誰かが撮っているはずなので、いつかは誰かから廻ってくるだろう。
さて、もう一つ。
大馬鹿をやらかしたのは、出発前にE−bayで競り落とした双眼鏡付きデジタルカメラちゃん。
やらかしたのがこいつなのか大馬鹿がhirokoなのか・・・多分後者の線が強い気がするが・・・
5夜のライブ中、大々活躍した双眼鏡付デジカメちゃん。
双眼鏡としてカメラとしてここぞとばかりに頑張った。
合計86枚しっかりとアップのジャクソン、オールマン、そしてニールと写しに写しまくった。
PCに接続してトランスファーをかける。
????何もない・・・???
何も入ってないのである。
嘘やろ?嘘やと言うてぇーな!と何度もトライするがスイッチ自体が入らない。
バッテリーが切れちまっているのである。トホホ。
単4電池2本で7日間も入れっぱなし・・・あの86枚は幻となってしまった。
ったく!電池を交換する間は30秒は記憶していると書いてある。
つまりだ、こいつを持って行くライブなんぞは1夜のコンサート用な訳で、帰ってきたらすぐにPCに移動させねば何の役にもたたんわけだ。
まぁ双眼鏡としての役割は充分果たしてくれた訳だから、それに多くのラスティー(ニールのファンたち)がバカスカ写しているはずだから、まぁまぁ怒りは半減した。
・・・ということで、ド馬鹿を2つやらかしてしまった。
でも瞼を閉じればまだまだコンサート会場だ。
肝心のライブを体験した訳だから、思い出はまだまだ脳味噌とい瞼の裏にしっかりとこびりついている。
この5夜で得たエネルギーとパワーは何物にも代え難い貴重なhirokoの動力源となる。
ライブCDを作りながら、再び感動の波に身を任せる。
音楽とは素晴らしい、そしてライブは止められない。

ライブと併行して、今回の旅のお土産は何といっても友に出会えたことだ。
新たな友達も出来て、再びバーチャルの世界とCDのトレーディングの毎日が始まりを迎える。
「又会えるよね!、ニールがライブをする限り・・・」
マンハッタンの摩天楼のど真ん中で友情を確立した。
UWEやジョージ帰国後、すぐにメールが入ってきた。
UWEは未だ興奮状態が覚めやらないでいる。
ジョージは帰国便も飛行機の到着が遅れて、アムステルダムで再び長時間待たねばならなかったそうだが、何よりも無事でオーストリアに戻れたことを喜んでいた。
クリス君はボストンのジム君と意気投合し、新たなる音楽の友を得た感激で交流が始まっている。